再発について
根の問題は再発することが多い
「神経を取ったはずなのにまた歯が痛くなってきた!」というような経験をされたことのある方もいらっしゃるのではないでしょうか?よく、「神経を取るともう痛くならない」、と思われていることがありますが、実は残念ながらそうではありません。
神経を取った歯が再度問題を起こすということは実際の現場ではよく目にします。なぜそのようなことが起こってしまうのでしょうか。
神経を取った歯が再度問題を起こすということは実際の現場ではよく目にします。なぜそのようなことが起こってしまうのでしょうか。
高くない日本における根管治療の成功率
根管治療というのは、歯科治療の中で最も難しい治療とも言われており、その成功率というのは決して高くありません。日本で行われている根管治療のほとんどは保険治療で、その場合だと成功率は20-40%程度だと言われています。つまり、根管治療をした歯の60-80%がその後に何らかの形でいずれ問題を起こすということになります。
根管治療の成功率が低くなってしまう理由
日本における根管治療の成功率が低い理由として、日本の保険制度においては質の高い根管治療を行うのが難しい、というのが大きな理由となっています。保険の根管治療の場合、次のような問題が起こることがあります。
十分な無菌的処置をするのが難しい
根管治療を成功させるために最も重要なこととして、「無菌的に治療を行う」ということが挙げられます。根管内部に細菌が入ってしまうと、いずれその細菌が内部で繁殖し、後々問題を起こす、つまり再発する原因となります。
保険治療では、治療法や時間の制約により、十分に無菌的な措置を行えないことがあります。その分、成功率は下がってしまいやすくなります。
保険治療では、治療法や時間の制約により、十分に無菌的な措置を行えないことがあります。その分、成功率は下がってしまいやすくなります。
根管が見えない状態で治療を行うしかない
根管の内部というのは、入り口がやっと見えるくらいで、その奥は肉眼で見ることはできません。保険診療ではほとんどの場合、その見えない根管内部の治療を行う際、レントゲンの画像を参考にしながら器具を根管に入れて、術者の勘や感覚に頼るという方法で行うしかないのが現状です。
ただし、レントゲンの画像はあくまでも平面的であり、術者の勘や感覚というのも術者の経験や技術レベルによって大きく左右されてしまうので、術者によっても治療の結果に大きな差が出ます。
ただし、レントゲンの画像はあくまでも平面的であり、術者の勘や感覚というのも術者の経験や技術レベルによって大きく左右されてしまうので、術者によっても治療の結果に大きな差が出ます。
根管の複雑な形に対応するのが難しい
根管というのは、大きく弯曲していたり、複雑に内部で枝分かれしていたりすることが多く、保険で通常使用されている器具では隅々まで届かせるのが困難で、細部まできれいにし切れないことがあります。
治療に十分な時間がかけられない
根管治療というのは、細部を扱う非常に困難な治療であるにもかかわらず、現状の保険制度ではあまり時間をかけることができないという問題点があります。そのため、どうしても精密な治療とはなりにくく、再発が起こるリスクがその分高くなります。
当院では、再発を起こしにくい精密根管治療を行なっています
以上のような根管治療の問題点を長年目にしてきた結果、当院では、根管治療の方法を大きく見直し、現在では質の高い根管治療で定評のある米国式の精密根管治療を取り入れ、根管治療の成功率を大きく高めることに成功しました。
当院では、保険治療においてもその要素をできるだけ取り入れ、通常行われている保険治療よりも質の高い、時間をかけた治療を行なっています。
細菌を根管内に入れない治療
当院では、根管治療中に外部からの細菌混入を防ぐために、ラバーダムを使用した状態で治療を行っています。これにより、唾液が根管内に入るのを確実に防ぐことができ、無菌的な状況を作り出すことができます。
CT、マイクロスコープで「見える治療」
レントゲンの画像だけでは、根管の詳しい状況がわかりません。そのため、当院では歯の立体的な状態を見ることのできるCT撮影をし、さらにマイクロスコープを使用することで通常肉眼では見ることのできない歯の奥までしっかりと見ながら治療を行っています。
細部まで入る器具を使用
保険治療で使用する器具ではアクセスできない根管内も、ニッケルチタンファイルを使用することにより、隅々まで器具を到達させて確実な治療を行うことができます。
たっぷりと時間をかけた治療
根管治療は初期の段階でしっかりと時間をかけて、回数を少なく行うことが、根管内への感染を防ぐ意味でも重要になってきます。当院では、多めの治療時間を確保して早期の問題解決をはかり、できるだけ回数をかけずに治療を行います。