歯周病によって起こる様々な影響
歯周病は歯が抜けるだけではない!
歯周病菌が全身に広がり、命に関わる病気を起こします
歯周病はほんの一昔前まで歯を失う原因になるだけの病気と考えられていました。それだけでも十分恐ろしいのですが、最近だんだんと歯周病がそれよりも恐ろしいことを引き起こす病気だということがわかってきました。その「恐ろしいこと」とは、歯周病菌が全身に広がり、様々な命に関わる病気を起こしている、という事実です。お口とは遠い臓器であっても、一度血管の中に歯周病菌が入り込んでしまえば、血流に乗ってどこまでも到達することは可能です。また歯周病はそれ以外にも色々と私たちにマイナスの影響を及ぼす、困った病気なのです。
歯周病によって起こると言われている体の病気
歯周病による見た目や周囲への影響
歯周病にかかると、見た目への影響、そして周囲に与える影響というのも出てきます。例えば次のようなことが起こってくることがあります。
■老けて見える
歯周病がひどくなるにつれ、歯を支えている骨が破壊されて下がってきますので、歯茎もそれに伴い下がります。そうすると、歯が長く見えるようになったり、歯と歯の間が空いてきたり(ブラックトライアングル)、など見た目の印象的に老けて見えるようになってきます。
■歯並びが崩れてくる
歯周病が進んで歯を支えている骨が弱ってくると、歯をうまく支えられなれなくなり、歯が噛み合わせの力に負けて動いてくることがあります。そうすると歯と歯がすきっ歯になってきたり、前歯が出っ歯になってしまうことも珍しくありません。
■口臭がひどくなる
歯周病の特徴的なこととして「口臭」が挙げられます。これは、歯周病菌の発生するガスがその原因となっています。歯周病にかかっている本人は鼻が慣れてしまい、自分の口臭に気がつきにくいですが、周囲の人に嫌な思いをさせてしまう可能性があります。口臭というのはなかなか指摘できないことも多いため、たかが口臭と思っていても、よりよい人間関係を築くための障害になってしまうことすらあります。
歯周病で歯を失った後の影響
歯周病というのは、実は歯周病で歯を失ってしまった後にも悪影響を残します。
骨が痩せて口もとの張りが失われる
歯周病は歯の周囲の骨が失われてしまう病気ですので、歯周病で歯が抜けた状態の骨はかなり骨のボリュームがなくなってしまっている状態です。口周りの張りというのは、口の中の顎の骨や歯茎がしっかりしてこそ保たれていますが、歯周病で大きく骨や歯茎が痩せてしまった状態では張りも失われ、口もとがシワっぽく、頬もこけたような状態になります。つまり、歯周病で歯を失うと、さらに見た目が老けて見えるようになります。
骨が痩せてインプラント治療が難しくなる
歯周病で歯を失った後は人工歯根をあごの骨に埋めるインプラント治療をすれば良いか、と思っている人もいるかもしれません。歯を失う原因には歯周病の他に虫歯や歯根が割れる、というようなものがありますが、実は歯周病で歯を失った場合が一番、インプラントを行う条件としては難しいのです。インプラントはしっかりとした骨(土壌)がなければ、うまくくっつき(根付き)ません。また、歯周病は複数の歯が同時にかかっていることが多いため、残っている歯の歯周病菌がインプラントに感染し、インプラントがダメになってしまうこともあります。歯周病は想像しているよりも多くの悪影響を私たちにもたらします。悪くなる前に予防することを心がけましょう。