口腔外科
経験豊富な医師による安心の口腔外科治療

親知らずの抜歯はもちろん、口内のできものや外傷などのさまざまな処置についても、診察・対処いたします。
口腔外科とは、お口の中や顔面ならびにその周囲の治療を行う診療科です。 当院では「顎関節症」や「親知らず」を主に治療しています。 また、お口に中の口内炎や「できもの」については、原因が何であるかを診査し、専門の病院を御紹介しています。
親知らずの治療

親知らず(智歯)とは、永久歯(上下で28本)が生え揃ったあとで、一番奥に生える歯のことです。親知らずにも、いろいろな生え方があります。2枚のレントゲンを見てみます。
(赤い○が親知らずです)
まず、一人目です。4本とも、綺麗に真っ直ぐ生えています。こういった場合の親知らずは、特に何の症状もありません。しかし、一番奥の歯なので、歯ブラシが届きにくいです。よく注意して磨くようにしてくださいね。

二人目のレントゲン写真です。
この方も親知らずは4本ともありますが、上2本の親知らずは、歯ぐきの中の方に埋まっています。先程のレントゲンとは違って下の親知らずは横たわったように生えています。こういった生え方は要注意です!この親知らずは埋伏智歯と呼ばれます。
◆親しらずが抜歯されるとき
親知らずが手前の歯を圧迫して歯並びを悪くすることがあります。また、生えてくる途中、歯肉がかぶさっていたり、奥の方に生えていたりするため、お手入れ不足になってむし歯や歯肉の炎症を起こします。炎症が起きると、頬やあごの腫れ、のどの痛み、筋肉の炎症、発熱といった激しい症状がおこります。こういった症状が出た場合には、抜歯の対象になります。
◆親知らずの抜歯時に注意すること

下顎には、下歯槽神経が通っていて、下唇・顎の知覚などを支配しています。親知らずを抜歯する場合、この下歯槽神経を傷つけないようにしなければなりません。万が一、この下歯槽神経を傷つけたり、抜歯のときに触れたりすると、下唇のあたりにしびれが出ることがあります。赤い線が下歯槽神経です。親知らずの根っこの先の非常に近い位置を通っているように見えます。ただ、平面でみるだけでは、実際にどの程度根っこと神経が接しているかは分かりません。
当院では、歯科用CTを導入しているため、下顎の親知らずの抜歯をするときには、CT撮影を行っています。CT撮影を行った画像を見てみましょう

CTでは、お口の中を立体でみることができます。Aの画像は、お顔の左側から見ているのですが、顎の骨、歯がうつっているのが分かりますか?赤い○が、左下の親知らずです。斜めに生えているのが分かりますよね?Bの画像は、同じ顎の骨の中の方を見ているのですが、オレンジ色の線が、下歯槽神経です。耳の下の方から、奥歯の下のあたりを通っていますよね。
これを別の方向から見てみます。

親知らずの根っこと、下歯槽神経との位置関係をこれでハッキリと見ることができます。この患者様は、当院で抜歯をされました。抜歯後、下唇にしびれが出ることもなく、傷口もきれいに治っていっています。
◆当院での抜歯が難しい場合
CTの撮影をしてみて、神経と親知らずの根っこが接している場合には、県立中央病院への紹介状をお渡しし、抜歯のご予約をお取りすることにしています。紹介状と、レントゲン、そしてCT画像をお渡しして患者様のご都合の良い日に抜歯をすることができます。消毒や糸取りといった、アフターケアは当院で行います。親知らずの抜歯を検討されている方、当院までご相談ください。
粘液嚢胞の摘出

粘液嚢胞は下唇にできることが最も多く、直径5~10mm程度の丸くて軟らかい腫瘤(こぶ)です。嚢胞のなかには淡黄色の粘り気のある液体がたまっています。嚢胞は大きくなると青紫色になり、血管が透けて見えてくることもあります。お子さまにできる場合が多いですが、大人でもできます。
自覚症状は、何となくはれている感じがするだけで、痛みなどはほとんどありません。噛んで傷がついたり、針を刺してたまった唾液が流れ出したりすると、腫れは消えますが、しばらくすると再び腫れてくることが多いです。
◆治療方法
経過観察をしても自然に治ってこなかったり、お痛みがあったりする場合は局所麻酔をして、嚢胞だけでなく原因になった小唾液腺も摘出します。
口腔がん
お口の中にもガンができることがあります。できる場所によって、舌ガン、歯肉ガン、硬口蓋ガン、軟口蓋ガン、頬粘膜ガンなどがあります。口腔ガンはお口の中にお痛みがでてきたり、なかなか口内炎が治らなかったりする症状から病院を受診される方が多いです。当院では、診察して口腔ガンが疑われる場合には専門の医療機関に紹介しています。