歯周病治療の流れ
歯の周囲の歯周病菌をいかに取り除くか
歯の周囲の歯周病菌をいかにして減らしていくか

歯周病の原因は、歯の周囲についた歯周病菌です。歯の周囲にプラークが溜まり、その中に歯周病菌が繁殖すると、歯茎に炎症を起こし始めます。つまり「歯周病」という状態になります。歯周病の治療は、歯の周囲の歯周病菌をいかにして減らしていくか、ということを目的にして行っていきます。と言っても、軽度の歯周病と重度の歯周病では対処法、つまり治療法も当然変わってきます。
歯周病の治療は進行度によって異なります
- 歯肉炎
- 歯肉炎というのは歯周病が歯茎に限定されている状態です。子供や若い人に見られるのはたいていこの段階です。まだ歯周病のかかり始めで骨の破壊が起こっていないため、適切に対処すれば完全に治すことができます。治療をしなければ歯周炎に進行していきます。
- 歯周炎
- 歯周炎は、歯肉炎の状態を放置していると起こってくる状態で、歯周病の炎症が歯茎にとどまらず、骨の破壊が始まっている状態です。骨の破壊の程度に応じて、軽度、中等度、重度に分類します。重度になるほど治療に手間がかかり、また治りにくくなっていきます。歯肉炎と違い、完全に元どおり「治癒」するということは通常はありません。適切な治療を行わなければ、病状が進行して抜歯になってしまうこともあります。
保険での歯周病治療の流れ
歯周病が軽いほど、治療も簡単で早く終わる
保険診療で行われる歯周病治療の内容は、保険制度によって行う内容が決められており、次のような流れで行われます。なお、治療を始める前や治療のステップごとに、歯周病の重症度を判定するための検査が行われます。通常の流れとしては、次のようになります。
- 歯茎の検査1回目(歯周病の重症度の確認)
- ブラッシング指導、必要に応じ歯石除去(スケーリング)
- 歯茎の検査2回目(歯茎の治り具合の確認)
- 歯周ポケット内の歯石取り、根面清掃(SRP)
- 歯茎の検査3回目(歯茎の治り具合の確認)
歯肉炎の場合には、歯周病の検査2回目で治療終了となりますが、歯周炎の場合は歯茎の検査2回目以降の治療に進んでいきます。



保険外での歯周病治療
歯周病治療には保険外で行う治療法もあります。保険外治療の場合、保険診療で決められた治療以外の、より一歩進んだ、効果的な治療を受けることができます。
再生治療(歯周組織再生療法)

歯周病で失われた骨や歯茎を再生することができる治療法です。かつては歯周病で失われた歯の周囲組織を元に戻すことは不可能でしたが、現在ではこのようなことも可能になってきました。ただし、施術はどこの歯科医院でも受けられるわけではなく、歯周病治療に特に力を入れ、高度な技術を習得している歯科医院でしか受けることができません。愛媛県松山市近郊のかまくら歯科医院では、失われてしまった歯周組織を再生できる治療も行っていますので、興味のある方はお気軽にご相談ください。
トータルヘルスプログラム(根本的歯周病治療)

これは、器具や機械を使って歯の周囲の汚れを取り除くことに焦点を絞った従来の歯周病治療とは全く違うアプローチで歯周病を治療していくプログラムです。保険の歯周病治療でも治療の効果はもちろんありますが、進行を遅らせることはできても、進行を完全に止めるのが難しい場合も珍しくありません。トータルヘルスプログラムは、歯周病を引き起こしている細菌を特定し、その細菌に狙いを定めて除菌して歯周病菌が少ない状態を維持できる、という根本的に歯周病を改善していく治療法です。歯周病菌は身体中に回って様々な全身疾患を起こすことでも知られています。トータルヘルスプログラムによって歯周病菌を減らすことで、このようなリスクをも減らすことができます。