松山市から通える歯科医院が教える|虫歯の診断基準ICDASでわかる削らない判断
2026年8月28日
虫歯の診断基準ICDASでわかる削らない判断という言葉を聞いて、不安に感じた方もいらっしゃるのではないでしょうか。かき氷や冷たいジュースの出番が続いたこの時期は、実はお口の中の環境が変わりやすい季節でもあります。
「先生によって虫歯の数が違うと言われた」「様子を見ましょうと言われたけれど、本当に大丈夫なのか不安」——こうしたご相談は、当院にも松山市からお越しの患者様から少なくありません。
この記事では、虫歯を段階的に評価する国際的な診断基準ICDASを取り上げ、どこからが削るべき虫歯で、どこまでが経過観察でよいのかを、患者様の目線でわかりやすく解説します。

目次
ICDASとは?虫歯を7段階で見る国際的なものさし
結論から申し上げると、ICDASとは虫歯(う蝕)の進み具合を0から6までの7段階で評価する、世界共通の診断基準です。国際的な虫歯検出評価システムの頭文字をとった呼び名で、研究の場だけでなく日常の診療にも取り入れられています。
なぜこの基準が必要なのでしょうか。というのも、従来よく使われてきたC0からC4という分け方では、初期の変化を細かく表現しきれなかったからです。とくに「まだ穴はあいていないが、確かに何かが起きている」という段階は、記録の仕方が医院ごとにばらつきやすい領域でした。
ICDASは、この初期段階を複数の区分に分けています。歯の表面が乾かしたときだけ白く見えるのか、濡れた状態でも白く濁って見えるのか、といった細かな違いを段階として残せるのです。
具体的にイメージしてみましょう。健康な歯が0、乾かすと白く見える程度の変化が1、そのままでも白濁がわかる状態が2、エナメル質に小さな崩れが出た段階が3、内側の象牙質の影が透けて見える段階が4、そして目に見える穴が象牙質まで達したものが5、深く広がったものが6にあたります。
この共通のものさしがあることで、「今回は2、半年前も2だったので進行していません」といった説明が可能になります。
削る虫歯と削らない虫歯の境目はどこにあるのか
整理すると、エナメル質の中にとどまっている初期の段階は、削らずに管理できる可能性が高いといえます。一方で、内側の象牙質に到達している場合は、詰め物などの処置を検討する段階に入ります。
その理由は、歯の再石灰化という性質にあります。歯の表面は、酸によってミネラルが溶け出す脱灰と、唾液の力でミネラルが戻る再石灰化を毎日繰り返しています。表面がなめらかで穴があいていない段階なら、この戻る力が上回れば、虫歯の進行は止まります。
しかし歯の表面が崩れて凹凸ができてしまうと、そこに細菌が入り込んで住みつき、自然に戻ることが難しくなります。ここが大きな分かれ目です。
段階ごとの対応の目安
| 段階 | 見た目の状態 | 基本的な対応 |
|---|---|---|
| 0 | 変化なし | 通常の予防ケアを継続 |
| 1〜2 | 白く濁るが穴はない | フッ素とケア改善で経過観察 |
| 3 | 表面に小さな崩れ | リスクに応じて処置か厳密な観察 |
| 4 | 内側の影が透ける | 詰め物などの処置を検討 |
| 5〜6 | はっきりした穴 | 治療が必要。深さにより神経の診査も |
大切なのは「段階そのもの」だけでなく「その方が虫歯になりやすい体質かどうか」です。同じ段階でも、進みやすい方は早めの処置、安定している方は経過観察と、判断が変わります。
なぜ医院によって虫歯の本数が変わるのか
確認しておくと、「どこからを虫歯と数えるか」の線引きが医院ごとに違うからです。数え間違いではなく、基準の違いであることがほとんどです。
話は単純です。初期の白濁まで含めて虫歯と数える立場と、穴があいたものだけを数える立場では、同じお口を見ても本数が変わります。前者では「5本」と言われ、後者では「1本」と言われる、ということが実際に起こります。
どちらが間違いというわけではありませんが、患者様からすると混乱の原因になります。
具体例として、松山市からセカンドオピニオンにお越しになった方で、前医で「奥歯を4本削る必要がある」と言われたケースがありました。当院で改めて段階ごとに記録したところ、実際に象牙質に達していたのは1本で、残る3本はエナメル質内にとどまる初期段階でした。
そこで1本のみ処置を行い、3本はフッ素と清掃方法の見直しで管理する方針としました。段階を明示して記録しておけば、次回の来院時に「進んだのか、止まっているのか」を数字で比較できます。
当院が行っている精密診断の流れ
整理しておくと、正確な段階判定には目で見る診査だけでなく、複数の検査を組み合わせることが欠かせません。
なぜかというと、それぞれの検査に得意不得意があるためです。目で見る診査は歯の表面の色や質感の変化に強い一方、歯と歯の間や詰め物の下の状態はわかりません。逆にレントゲンは内部の広がりを捉えられますが、ごく初期の脱灰は写りにくい傾向があります。
当院で組み合わせている検査
- 歯の表面を乾燥させたうえでの視診と触診
- 歯と歯の間を確認するレントゲン検査
- 必要に応じたお口の立体的なレントゲン(歯科用CT)
- 細菌検査による評価
当院はスタッフ総勢40名、歯科医師6名以上が在籍する総合歯科クリニックです。虫歯・歯周病・矯正・インプラント・小児など各分野の担当が連携し、必要に応じて多角的に検討しています。
経過観察を成功させるために自宅でできること
現場の感覚では、経過観察とは「何もしないで待つこと」ではなく「進行を止めるために積極的に手を打つ期間」です。ここを取り違えると、次の検診で段階が進んでしまうことがあります。
というのも、脱灰と再石灰化のバランスが、日々の習慣で大きく傾くからです。とくに影響が大きいのは、甘い飲み物や間食の「回数」です。量よりも回数が多いほど、歯が酸にさらされる時間が長くなります。
実際には、次の三点が柱になります。ひとつ目は、フッ素濃度の高い歯みがき剤を使い、すすぎを少なめにしてお口に成分を残すこと。ふたつ目は、歯と歯の間にフロスや歯間ブラシを通し、歯ブラシだけでは届かない面を清掃すること。三つ目は、水分補給を甘い飲料から水やお茶に置き換え、間食の回数を意識して減らすことです。
夏の疲れが残るこの時期は、冷たい甘い飲み物が習慣化しやすいタイミングでもあります。秋に向けて見直しておくと、次の検診結果が変わってきます。
経過観察中の歯は、3か月から6か月ごとの再評価が目安です。当院では担当の歯科衛生士が前回と同じ基準で記録し、変化があればすぐに方針を切り替えます。
よくあるご質問

まとめ
虫歯は「ある・ない」の二択ではなく、段階で捉えるものです。ICDASのような共通の基準で記録すれば、削るべき歯と守れる歯をはっきり区別でき、必要以上に削らずに済みます。
大切なのは、判断の根拠を患者様と共有し、同じ基準で経過を追い続けることです。松山市からも通いやすい立地ですので、診断に迷いや不安のある方は、ぜひ一度ご相談ください。
この記事の監修者
鎌倉 聡
愛媛インプラントクリニック かまくら歯科 院長/歯科医師
日本口腔インプラント学会 専門医、ICOI国際インプラント学会 専門医・指導医、日本歯周病学会 歯周病専門医
最終監修日:2026年8月25日
出典・参考資料
- Pitts NB. The International Caries Detection and Assessment System (ICDAS): an integrated system for measuring dental caries. Community Dentistry and Oral Epidemiology, 2007.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/17518963/
ICDASは、う蝕の状態を健全から広範な実質欠損まで7段階で評価する国際的な基準です。
当院について
医院情報
| 医院名 | 愛媛インプラントクリニック かまくら歯科 |
| 住所 | 愛媛県伊予郡松前町鶴吉806 |
| 電話 | 089-984-0002(予約制) |
| アクセス | エミフルMASAKIから車で5分 |
| 公式サイト | kamakura-dental.jp |
診療時間
| 曜日 | 午前 | 午後 |
|---|---|---|
| 月〜金 | 9:00〜13:00 | 14:00〜18:00 |
| 土曜 | 9:00〜13:00 | 14:00〜17:00 |
| 日・祝 | 休診 | |
院長プロフィール
鎌倉 聡(かまくら さとし)
愛媛インプラントクリニック かまくら歯科 院長
「一生自分の歯で美味しく食事ができる喜びを」をモットーに、デジタル設備(iTero・歯科用CT・マイクロスコープ等)を活用した精密治療を提供。インプラント・矯正治療をはじめ、虫歯・歯周病・根管治療など幅広い歯科治療においてインプラント症例数6,000件以上(2006年4月〜2025年7月)、矯正治療実績1,753件(2014年〜2025年)を有する総合歯科クリニックの院長。
通院エリア
地元の松前町・伊予市・松山市に加え、宇和島市や大洲市などの南予、今治市や西条市などの東予、そして高知県からもご来院いただいています。
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