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八重歯を抜いて、うしろの歯を前へ動かした症例

2026年10月30日

八重歯が気になる。できればマウスピースで治したい。矯正のご相談で、いちばん多く伺うご希望のひとつです。

今回ご紹介するのは、20代の女性の症例です。左右の八重歯が気になること、口がいつも少し開いていて閉じにくいこと、この2つをお話しくださいました。

結果としては、八重歯そのものを抜いて、そのあいた場所へ隣の歯を動かすという計画になりました。そう決めるまでに確かめたことを、順に書きます。

最初の状態

治療前の口腔内写真

治療前。上の犬歯が歯列から外れて、高い位置に出ています

上の犬歯が左右とも、並びから外れて上のほうへ押し出されていました。いわゆる八重歯です。

治療前の上あごの口腔内写真

治療前の上あご。歯が並ぶ場所に対して、歯の数と大きさが余っています

上から見ると、成り立ちがはっきりします。並ぶ場所に対して、歯が入りきっていません。入りきらなかった歯が外へ押し出される。これが八重歯のできかたです。

場所をつくる方法は、ひとつではありません

場所が足りないなら、つくるしかありません。やり方はいくつかあります。

方法 向いている場合
歯列を広げる 足りない量が少なく、広げる余地がある場合
奥へずらす 後ろに動かせる余裕がある場合
歯を抜く 足りない量が大きい場合

この方は、上下で条件が違っていました。下あごは、生まれつき前歯が1本少ない状態でした。そのぶん、下は場所に余裕があります。

上下の歯の数が釣り合っていないと、噛み合わせが合いません。上をどれだけ減らすかは、下に合わせて決める必要がありました。

どの歯を抜くかを、模型とレントゲンで決めました

場所をつくるために歯を抜くとき、次に決めるのは「どこを抜くか」です。多くの場合は犬歯のうしろにある小臼歯が候補になります。ただし、そこと決まっているわけではありません。

この方では、模型とレントゲンで一本ずつの位置と歯根の向きを見比べたうえで、外に押し出されていた犬歯、つまり八重歯そのものを抜く計画としました。上あごは左右の犬歯、下あごは片側の犬歯を抜いています。

抜いたあとにできた場所へは、そのうしろにある小臼歯を前へ動かして入れていきます。歯の本数は減りますが、並びとしてはつながった弧になります。

抜く場所が変われば、動かし方も仕上がりも変わります。だからここは、感覚ではなく測って決める場面です。

起こる変化は、先にお伝えしました

犬歯は、内側から唇を支えている歯です。ここがなくなると、唇のあたりの見え方が変わります。

歯並びとしては整いますが、口元の印象も一緒に動く。これは初診の段階でお伝えしました。終わってから知ることではないと考えています。

そのうえで進めるかどうかを、ご本人にお決めいただきました。

親知らずを先に抜いています

この方は初診のときに、親知らずをすべて抜いておきたいとご希望でした。装置を入れる前に、上下の親知らずを抜いています。

矯正の側から見ても、先に片づけておくほうが進めやすくなります。治療の途中で腫れると、そのぶん予定が止まるためです。

抜いた翌週には糸を取り、そのままマウスピースを装着しています。ここから本編です。

小臼歯を、犬歯のあった場所へ

マウスピースをしばらく進めたところで、計画どおりに犬歯を抜きました。ここからが、あいた場所を閉じていく段階です。

マウスピースだけで足りない動きには、歯に小さなボタンを付けてゴムをかけ、方向と力を足しています。歯と歯のあいだをごくわずかに整えて、収まりを調整する場面もありました。

動いた結果を見て、装置を作り直しながら進めています。最初の一式で終わりにせず、その時点の歯並びから組み直す。抜歯をともなう計画では、ここで仕上がりが変わります。

並びました

治療後の口腔内写真

治療後。上下の歯が並びの中におさまっています

治療後の上あごの口腔内写真

治療後の上あご。犬歯のあった場所に、うしろの小臼歯が入っています

上から見ると、並びの形そのものが変わっているのが分かります。押し出されていた歯があった場所に、うしろの歯が前へ入ってきて、全体がひとつの弧になりました。

ここからは保定の期間です。動いた歯が戻ろうとする力を受け止めるしくみを使います。

よくあるご質問

Q. 八重歯を治すのに、八重歯そのものを抜くことがあるのですか

あります。抜く歯の選び方は症例ごとに違い、犬歯のうしろの小臼歯を抜くことも、犬歯そのものを抜くこともあります。歯の位置と歯根の向き、上下の歯の数の釣り合いを見て決めます。どちらが良いかは、測ってみないと分かりません。

Q. 抜かずに八重歯を治せることはありますか

足りない場所が少なければ、歯列を広げる、奥へずらすといった方法で足りることがあります。どれだけ足りていないかは、模型とレントゲンで測れば分かります。抜かずに済むならそのほうがよい、という順番で検討します。

Q. マウスピースでも抜歯をともなう治療はできますか

できます。この症例もマウスピース型の装置で進めました。動かす量が多くなるぶん装置の枚数は増えますが、途中で計画を作り直しながら進められます。

Q. 口元の見え方は変わりますか

歯の位置が動けば、唇のあたりの見え方も動きます。どの程度かは、どの歯をどれだけ動かすかによって変わります。始める前に、想定される変化をご説明します。

治療後の口元

抜くかどうかも、どこを抜くかも、測れば見えてきます

「抜かないと無理だと言われた」「抜きたくないから踏み切れない」。どちらのご相談もいただきます。

場所がどれだけ足りていないかは、感覚ではなく数字で出ます。足りない量が分かれば、抜かずに済むかどうかも、抜くならどこかも見えてきます。

まずは測ってみるところからです。結果を見てから、進めるかどうかをお決めください。

治療前と治療後

治療前と治療後を並べた口腔内写真

この症例について

患者様 29歳
治療部位 八重歯・叢生
治療内容 抜歯をともなうマウスピース型矯正装置による治療(親知らずの抜歯を先行)
治療期間 約2年4か月
費用 946,000円(税込)
主なリスク・副作用 ・初めの数日は矯正装置による不快感、痛み等があります。数日間~1,2週間で慣れることが多いです。
・装置の使用状況、顎間ゴムの使用状況、定期的な通院等、矯正治療には患者さんの協力が非常に重要であり、それらが治療結果や治療期間に影響します。
・歯の動き方には個人差があります。そのため、予想された治療期間が延長する可能性があります。
・歯を動かすことにより歯根が吸収して短くなることがあります。また、歯ぐきがやせて下がることがあります。

掲載についてご本人の同意をいただいています。1例であり、治療の内容・期間・結果には個人差があります。同様の結果を保証するものではありません。

当院は愛媛県伊予郡松前町にありますが、松山市からは車で20分ほどの距離です。お仕事帰りに寄られる方もいらっしゃいます。

気になることがあれば、一度ご相談ください

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この治療は自由診療です(保険適用外)

標準的な費用:インビザライン ライトプラン 片顎385,000円/上下550,000円(税込)、スタンダードプラン 上下715,000円(税込)、エキスパートパッケージ 上下913,000円〜946,000円(税込)、ワイヤー矯正 上下946,000円(税込)。調整料は別途1回3,300円(税込)。相談料・検査診断料・保定料は0円です。

治療期間・回数:ライトプラン約3か月半、スタンダードプラン約6か月、本格矯正は1〜3年が目安です。遠隔チェックの利用で通院は3〜4か月に1回まで減らせる場合があります。

リスク・副作用:装置装着後の痛みや違和感、歯根の吸収、歯ぐきの退縮が生じることがあります。マウスピース型矯正装置は決められた装着時間を守らないと計画どおりに進みません。治療後に後戻りが起こることがあるため、保定装置の使用が必要です。

費用は2026年8月時点のものです。治療結果には個人差があります。詳細は診察時にご説明いたします。

この記事の監修者

鎌倉 聡

愛媛インプラントクリニック かまくら歯科 院長/歯科医師

日本口腔インプラント学会 専門医、ICOI国際インプラント学会 専門医・指導医、日本歯周病学会 歯周病専門医

最終監修日:2026年9月11日

  監 修 : 
医療法人 愛媛インプラントクリニックかまくら歯科
院長 鎌倉 聡(歯科医師/歯学博士)
日本歯周病学会 歯周病専門医
日本口腔インプラント学会 インプラント専門医
ICOI国際インプラント学会 専門医・指導医
最終更新日 : 
2026年10月15日

初診「個別」相談へのご案内

当院では、患者さんが抱えていらっしゃるお口のお悩みや疑問・不安などにお応えする機会を設けております。どんなことでも構いませんので、私たちにお話ししていただけたらと思います。
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