歯ぎしりを軽視するのは禁物!歯周病の原因にもなりかねない?!
2019年2月21日
歯ぎしりとは?
歯ぎしりは、3つのタイプに分類されています。
【グラインディング】
歯を噛みしめ左右にこすり合わせるために「ギリギリ」と音が生じます。
【クレンチング】
一般的に知られている「食いしばり」をさします。上の歯と下の歯を強く咬みしめる垂直に噛みしめる癖です。咬みしめるために音が目立ちません。
【タッピング】
上の歯と下の歯を連続してぶつけ「カチカチ」と音を発生させる歯ぎしりです。下の顎を高速で動かす癖です。歯ぎしりの中でも症例数は少ない傾向にあります。
歯ぎしりする場面
歯ぎしりは、無意識のうちにおこなってしまうことがほとんどであり、ご家族や恋人などに歯ぎしりをしていることを指摘された経験がある場合や、起きた時に顎が疲れている、気づくと顎が重いなどの症状がある場合には、注意が必要です。
歯ぎしりは単なる癖であると認識している人も多く見受けられますが、歯ぎしりは口の中にさまざまな二次障害を与えかねません。人間の無意識に咬む力は約60kgと成人の人間ほどの重さがあります。その力が長期に渡り歯や歯肉に加わるだけではなく、全身にも影響を及ぼす可能性があります。
歯ぎしりが与える二次障害
【歯が削れる・割れる】
歯ぎしりを長期に渡り無意識にしていると、歯に負担がかかります。歯は人間の臓器や組織の中で最も硬いとされていますが、その歯さえもすり減ったり、割れたりしてしまいます。歯の表面組織のエナメル質がすり減ってしまうと、知覚過敏の症状が生じる場合もあり、冷たいものや、温かいもの、酸味や甘味が強いもので歯が染みるようになります。
【歯周病】
歯ぎしりは歯だけではなく、歯を支える歯周組織(歯肉・歯根膜・セメント質・歯槽骨)にまで影響を与えます。健康な歯肉であっても歯ぎしりの力は非常重く、歯周組織に負担がかかることで、歯周病へと進行させてしまう可能性もあります。また歯周病に既に罹患している場合は、更なる進行を助長しかねません。歯周病もまた成人の約8割が罹患しているといわれている疾患であり、歯ぎしりと歯周病の関係性は見過ごすことはできません。
【顎関節症】
歯ぎしりは、顎関節症の症状を引き起こす場合があります。顎関節症は顎が痛い、口を開ける時にカチカチ音がする、口が思うように開かない、などの症状があります。
【肩こり・頭痛】
歯ぎしりは約60kgもの力が加わり、顎や口だけではなく全身にも影響を与えてしまうと考えられています。代表的なものとして、肩こりや頭痛があげられます。肩や首、頭はダイレクトに影響を受けやすく、筋肉の硬直、血行不良により症状が生じると考えられえています。
歯ぎしりの治療法
【マウスピース(ナイトガード)】
マウスピースを使用した治療法をおこないます。正しくは歯ぎしりの改善を目的とした治療するのではなく、歯ぎしりで加わる力をマウスピースで分散させることを目的にした治療です。歯科医院にて、患者さま一人一人オーダーメイドのマウスピースを製作し、就寝時に装着することで、歯ぎしりで生じる力を分散させ歯や歯肉を守ります。
【補綴治療・矯正治療】
咬み合わせが合わない、歯並びなどに影響されて、歯ぎしりが生じる場合もあります。それらを治療することで歯ぎしりが軽減、改善されるケースもあります。