赤ちゃんの歯に歯磨き粉は必要?正しい磨き方は?
2018年5月20日
「歯磨き粉の研磨成分って赤ちゃんに大丈夫?」
「そもそも赤ちゃんに歯磨き粉は必要なの?」
赤ちゃんの歯が生え始めることは親御さんにとって大きな喜びですが、その一方で、虫歯にならない歯のケアという新しい「責務」が増えることになります。
歯磨き粉の使い方についても、いろいろと悩んでしまうのではないでしょうか。
歯磨き粉の使用は、タイミングが重要です。正しい歯磨き粉の選び方と使い方についてもかまくら歯科が紹介します。
2歳ぐらいまでは歯磨き粉は不要
赤ちゃんの乳歯は、上10本、下10本の計20本あります。20本生えそろうのは、2歳から2歳半ごろといわれています。
歯磨き粉は、20本すべてそろう2歳か2歳半ぐらいまでは、使う必要がありません。
むしろ、8カ月目くらいまでは歯ブラシも使わなくてもいいでしょう。
なぜなら、赤ちゃんの口の中は虫歯ができにくい環境にあるからです。赤ちゃんは大量の唾液を出しますよね。唾液には、虫歯菌をたたく効果があるのです。
しかし、虫歯ができにくいと聞いても「虫歯予防のために歯磨き粉を使いたい」と思ってしまう親御さんもいるでしょう。
そこで、なぜ2歳ごろまでは歯磨きを使わないほうがいいのか解説します。
そもそも歯磨き粉とは
今ではほとんど見かけませんが、かつての歯磨き剤は粉状になっていたため、ペースト状が主流になっている現代でも歯磨き「粉」という言葉が使われているのです。
歯磨き粉を使う目的は、主に次の6つがあります。
A:虫歯を予防する
B:虫歯の進行を止める
C:歯周病を予防する
D:歯の白さを保つ
E:口臭を予防する
F:口の中を清潔に保つ
まずAとBですが、2歳までの赤ちゃんは虫歯になりにくいので、この目的は赤ちゃんには重要ではありません。歯周病菌もその年齢では心配ないのでCの目的も要りません。
DとEは、さらに要りません。
Fの効果は赤ちゃんにも必要ですが、口の中の清潔を保つにはほかの方法があるので、わざわざ歯磨き粉を使う必要はないでしょう。
それよりも、歯磨き粉には、研磨剤を含めさまざまな添加物が含まれています。
ラウリル硫酸ナトリウム、リン酸水素カルシウム、無水ケイ酸、炭酸カルシウム水酸化アルミニウム、グリセリンなどです。名前を聞いただけで、赤ちゃんから遠ざけたくなるものばかりではないでしょうか。
大人であれば歯ブラシの後、口の中をしっかりすすぐことができるので、こうした添加物を一時的に口の中に入れてもとくに問題ありません。
むしろ大人の場合は、こうした添加物によって得られるメリットのほうが多いのです。
2歳ぐらいまでの歯磨き粉を使わない磨き方
ガーゼでぬぐう
赤ちゃんの口の中の清潔を保つには、ガーゼが有効です。
親御さんが利き腕の人差し指にガーゼを巻き、それを赤ちゃんの口の中に入れて、歯や歯肉をマッサージするように汚れを落としていってください。
ガーゼを巻いた指を口の中に入れる前に、赤ちゃんの口の中を水で湿らせることを忘れないでください。
口の中に入れた指に力を入れる必要はありません。
ガーゼはそれほど厚く巻かなくて大丈夫です。また、ガーゼは糸くずが発生しやすいので、指に巻き付けるときは十分注意してください。
水だけで磨く
歯がすべて出そろわなくても、4~5本出てきた段階であれば歯ブラシを使っても大丈夫です。もちろん、乳児用の小さくて軟らかい毛の歯ブラシを使ってください。
このとき、水で磨けば十分です。
また、「磨く」といってもゴシゴシやる必要はなく、「食べカスを落とす」といった感じでやさしくブラッシングしてください。
2歳以降は歯磨き粉を使いましょう
歯磨き粉は、必ず乳幼児用の「飲んでも大丈夫なもの」を選んでください。乳幼児用歯磨き粉は、ペースト状ではなく、より刺激が少ないジェル状のものが多いようです。
フッ素入りでも心配なし
それでも気になるという方は、フッ素が含まれていない乳幼児用歯磨き粉もあります。
フッ素スプレーを塗ってあげて
フッ素はやはり虫歯予防に効果的なのです。
1歳からという説もあります
歯磨き粉の使い始める時期については、1歳からでもよい、とする歯科医もいます。赤ちゃんの成長具合によっても、歯磨き粉を始めるベストタイミングは変わってきますので、かかりつけの歯科医に相談することをおすすめします。