見た目がキレイなインプラントを奥歯に使用するメリットは?
2018年8月20日
審美性を求めてインプラントを入れようと考える方が多いのは、その美しい仕上がりに惹かれるからです。
では、人から見られることがなく、自分でもほとんど見ることができない奥歯にインプラントを入れることは意味がないことなのでしょうか。
もちろんそんなことはありません。インプラントを奥歯に入れることには、大きな意味とメリットがあります。かまくら歯科と一緒に見ていきましょう。
奥歯を抜けたままにしておかないほうがよい理由
例えば右の奥歯が抜けても、左側の奥歯でしっかり咀嚼して食べることができるので「不都合を感じない」と思っている方は少なくありません。
しかし奥歯を抜けたままにしておくと、次の2つの不具合が起きます。
●噛み合わせが悪くなって体調不良につながる可能性がある
●健康だったほうの奥歯が傷んでしまうかもしれない
いずれも詳しくみていきましょう。
奥歯には少なくとも30㎏の力がかかります。最大100㎏以上になる人もいます。
例えば右の奥歯がなく、左側だけで咀嚼している人は、それだけの力が左側だけにかかるのです。また力を込めたときに歯を食いしばると思いますが、そのときも左の奥歯だけを使うことになります。
何十キロもの力が、片方にだけかかることが長期化すると、もはや口のなかの問題だけでは済まなくなり、体全体のバランスが崩れてきます。
噛み合わせが悪化して、頭痛や肩こり、腰痛を発症することは珍しくありません。いつもなんとなく体調が悪い不定愁訴の原因にもなります。
これが、奥歯がないことによる悪影響の1つです。
2つ目の悪影響は、健康なほうの奥歯が削れたり割れたりする危険が高まることです。歯は人の組織のなかで最も硬い素材ですが、それでも常に100㎏近い力がかかれば損傷されます。
左右の奥歯が健康であれば、左の奥歯を使っているときは右の奥歯を休ませることができます。片方の奥歯がないと、健康なほうの奥歯の「疲労回復」の時間が失われてしまうのです。
奥歯の入れ歯がインプラントより劣る理由
同じ奥歯の治療でも、入れ歯は医療保険が適用されますが、インプラントは医療保険を使うことができません。しかも奥歯は人に見られるわけではないので、「なにも奥歯にインプラントを入れる必要がない。入れ歯で十分」と考えるかもしれません。
しかし残念ながら、入れ歯は機能的にインプラントより劣ってしまう点があるのです。
奥歯の入れ歯は、強い力に耐えなければならないため、どうしても入れ歯の素材を厚くする必要があります。そうなると口のなかの「異物感」が大きくなってしまいます。「入れ歯がなじまない」と感じる人が少なくないのはそのためです。
また部分入れ歯は、人工の歯に金属製のバネ(クラスプ)をつけた構造になっています。クラスプの長さは5センチ以上になることもあります。つまり部分入れ歯を入れるということは、口のなかに常に5センチの金属を入れておくことになるのです。
また入れ歯は、総入れ歯はもちろんのこと、部分入れ歯でも日々の手入れが必要になります。夜寝る前に入れ歯を外し、洗浄剤を入れた液体に漬けておかなければなりません。
そしてこれが最も大きな欠点になるのですが、入れ歯はインプラントほどの「噛み心地」をもたらしてくれません。
噛み心地は歯を支えている顎の骨に力が伝わることで実感できます。天然の奥歯の場合、「奥歯→顎の骨→神経→脳」という順番で脳に噛み心地を伝えているのです。
しかし部分入れ歯は、加わった力を近隣の歯に分散させることで強度を保っているので、加わった力がダイレクトに顎の骨に伝わらないのです。
奥歯の入れ歯をインプラントに換えた人が「感動」するのは、噛み心地の再現性なのです。
それでは次に奥歯にインプラントを入れるメリットを見ていきましょう。
奥歯にインプラントを入れるメリット
そのためインプラントの人工歯で食材を噛むと、噛み心地がダイレクトに骨に伝わり、脳に届くのです。もちろんその噛み心地は天然の歯にはかないません。しかし現在存在する歯科治療のなかで、最も天然の歯に近い噛み心地を再現できるのは、インプラントと言われています。
またインプラントの大きさは、元の天然の歯とほとんど同じです。そのため、口のなかの異物感がありません。
ただ、奥歯が抜けて時間が経ってしまった方がインプラントを入れると「なかったところに存在する違和感」は発生しますが、しかしすぐに解消するはずです。
まとめ~奥歯にインプラントを入れると多くの支障が取り除かれる
抜けた奥歯の治療を検討するとき、歯科クリニックの歯医者にインプラントのメリットをぜひ聞いてみてください。きっと歯医者も、インプラントの美しさより、インプラントの機能に注目するようアドバイスするでしょう。