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あの症状は親知らずが原因だった?!症状と対処法

2019年1月17日

みなさんは、自身の親知らずの現状をご存知でしょうか。親知らずは必ず生えるものでなく、歯肉の中に埋もれているものや、歯が半分歯肉に埋もれているものなど様々であり、レントゲン撮影やCT撮影をおこなわなければ自身に親知らずがあるのか、ないのかさえも判らない人も多くいらっしゃいます。歯の痛みは虫歯だと考え歯科医院を訪れる人の中には、実は親知らずが原因で痛みが生じている場合も多く見受けられます。親不知が原因で痛みが生じる場合には、抜歯する必要性もあり、抜歯をするかしないか患者さまの悩みの種ともなりかねません。そこで今回は、親不知について詳しくご紹介してまいりましょう。

親知らず(おやしらず)とは?

親知らず(おやしらず)とは?
親知らずとは、中切歯と呼ばれる最も最前に生えている歯を1番目として数え、一番後ろに生えている8番目の歯(大臼歯)です。永久歯は6歳ごろより13歳、14歳ごろにかけて乳歯から永久歯に生え変わります。しかし親知らずは、17歳ごろから20歳過ぎまでに生える臼歯であるために、親の管理下にない年齢である“知らぬ間”に生えることから“親知らず”と呼ばれるようになり、正式名称は“智歯”(ちし)と呼びます。

親知らずはなぜ歯肉に埋もれるの?

人間の永久歯は全部で32本であり、その中の4本が親知らずとなります。親知らずは上顎(上のあご)左右後方に2本、下顎(下のあご)左右後方に2本、合計4本あります。しかし、必ずしも上下左右に生えるわけではなく、母親のお腹の中で親知らずの芽が形成されない場合もあり、親不知が存在しても歯肉に完全に埋もれている場合や、歯肉から一部分のみが萌出している場合など、親不知の状況は一人一人異なります。

では、なぜ親知らずは、先天性に親知らずが存在しない場合や、他の歯のように完全に萌出することなく、歯肉に埋もれ萌出することがないのでしょうか。これは、人間の長い歴史の中で徐々に顎が小さくなっているために、親不知が生えるスペースが確保できなくなったと推測されます。顎が小さくなってしまったがために、現代の歯並びに影響を及ぼし歯並びが悪くなる要因の一つでもありますが、親知らずも影響されているのです。

診断

親知らずがあるかないかは、目視とレントゲン撮影やCT撮影でおこなわれます。歯肉に完全に埋まっている場合もあり、個人では判断できません。

親知らずの症状と対処法

親知らずの症状と対処法
親知らずが存在するからといって、なんらかの症状が現れるわけではありません。親知らずの生え方や、歯肉に埋まっている状況、隣の歯である第2大臼歯との位置などにより、症状が現れます。以下が主な親知らずが原因で現れる症状です。

【智歯周囲炎】

親知らずは、まっすぐに生えることなく斜めに生えることも多く見受けられます。斜めに生えている場合は歯肉に埋まりながら、一部が歯肉から萌出している場合が多く、一番奥に生えていることもあり食べカスも溜まりやすく、不衛生な状況になりやすい傾向にあります。口腔環境が不衛生になると、親不知周辺の歯肉は炎症を起している状態を智歯周囲炎と呼び、親知らずが生えてくる17歳から20歳前後の人に多くみられる症状です。

●対処法

抗菌薬や鎮痛剤を投与し、汚れが溜まる原因となる歯肉を切除し、口腔内を清潔に保ちながら様子を見ることも多くあります。炎症を繰り返す、または親知らずの生え方によっては抜歯となることも多く見受けられます。

【虫歯】

親知らずは汚れが溜まりやすく、歯ブラシの毛先も行き届かずに、虫歯になることも多くあります。

●対処法

虫歯治療は可能ですが、特に第二臼歯に虫歯が広がるリスクがある場合は抜歯を検討するケースもあります。

【嚢胞】

親知らずの周辺に嚢胞が形成された状態です。無症状の場合もありますが、なんらかの細菌に感染することで、顎に痛みや腫れをかんじるようになります。嚢胞内は液体が含まれており、ほとんどの場合は良性のものであるが、悪性の場合も考えられ病理検査をおこなう必要もあります。

●対処法

親知らずを抜歯し、嚢胞を摘出します。

【第二大臼歯の吸収】

親知らずが適切に萌出せずに、第二大臼歯によりかかるように生えている場合、親不知に吸収され、歯の根などが溶けてしまう恐れもあります。

●対処法

親知らずの抜歯をおこないます。しかし、第二大臼歯の歯根吸収度合いが進んでいる場合は、第二大臼歯が近い将来抜歯となる恐れを考慮し、あえて親知らずを抜歯せずに親知らずを第二大臼歯の代わりに補うケースもあります。

上記は親知らずが原因で生じてしまう症例の一部です。疲れや風邪で免疫力が低下している時や、ストレス、睡眠不足が続いていると親知らずがうずくこともあり、なんらかの症状でお困りの際には、自己判断することなく歯科医院で診断を受けましょう。

親知らずは必ず抜歯するわけではない

親知らずは必ずしも抜歯をおこなわなければならないわけではありません。しっかりと上下で咬み合わさっている場合や、顎の中にすっぽりと埋まっていて、今後も特に影響はないと判断された場合は、抜歯する必要はありません。

【口腔ケア】

なるべく小さなヘッドの歯ブラシを選び、口を大きく開けてしまうと頬が邪魔をし、奥までブラシを入れることが難しく、口を小さめに開け歯ブラシを斜め横から入れ親知らずに歯ブラシの毛先があたるようにしましょう。

また、タフトブラシと呼ばれる汚れをピンポイントで除去することに長けているブラシを歯ブラシと併用して口腔ケアをおこなうのも効果的です。

親知らずに症状や影響がない場合は抜歯する必要性はありませんが、抜歯をおこなうべき場合も多くあり、なんらかの症状がある場合には歯科医院を受診しましょう。

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